【SEMESTER3-6】なぜ、人は自分の人生を前向きにとらえにくいのか?【メンタースキル②:自分史カウンセリング】
更新日:2021年8月5日
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あなたは、「人と向き合う仕事」をしていく中で、クライアント・お客さんから、
「これまでの人生を前向きにとらえ直すことができました!」
「自分のやりたいことや、これからの進む方向もわかってめちゃくちゃ嬉しいです!」
とお礼を言ってもらえたらどんな気持ちになりますか?
めっちゃ嬉しいですよね?
今回は、あなたがそんな自分になっていけるためのスキルをシェアしたいと思います。

前回は、
「やりたいことがわかりません」
「やってみたいけど自分には無理だと思います」
というふうに自己否定感がある人に対して、

苦悩から脱出して感情をリカバリーをしてもらうためのメンタースキルの「メンタリング」について説明させていただきました。

この「メンタリング」を行うことで、クライアントの自己否定感が和らぎ、
「やりたいことを明確にしたい」
「自分にはできないと思ってしまう自分を変えたい」
と少し前向きな気持ちになっていきます。

でも、まだ自己否定感があったり今後の方向性に迷いがある状態です。
この段階でクライアントに必要なことはなんでしょうか?
「とにかくやってみなきゃだよ!」
と新しいアクションをとってもらうことでしょうか?
とはいえ、クライアントが心理的な向かい風がまだ強い状態の中で、新しいアクションをとるのは厳しいですよね?

次に必要なことは、等身大の自分を受容してもらって、心理的な向かい風を無風にしていくことです。

それには、今までの人生経験(自分史)を振り返って受け入れていくことが必要になります。
これを行うことで、
「自分を過小評価しすぎていました」
と、これまでの自分の努力に気づき直したりもしますが、
特に、
「やりたいことがわからない」
と思っているクライアントには、効果大です。

「やりたいことを明確にしたい」
という人には、まず人生の方向性・コンパスであり、物事の判断基準の「価値観」を認識してもらうことが重要になります。
これまでのカリキュラムでも紹介してきましたが、価値観は何から生まれるか覚えていますか?

「価値観は、過去の経験から生まれる」という原則がありましたね?

なので、0歳から今までを振り返ることで、
「夢中になっていたこと」
「好きだったこと」
「美しいと思えたこと」
「自分が育った環境」
など、心が動いた時の出来事を思い出すことができて、今後の「やりたいこと」の方向性が見えてくるからです。
つまり、クライアントに、
「自分はこういう人間だ!」
「これが、自分らしさだ!」
という自分軸をギフトできるようになるんです。

ということで早速、メンタースキルの2つ目「自分史カウンセリング」についてシェアしていきますので、よろしくお願いします!

ではここから具体的にどうやってカウンセリングしていくのかを説明していきます。
「カウンセリング」は「メンタリング」と同じく、フラットな対話の形式をとります。
なぜ、対話の形式を取るのでしょうか?

人の意識の9割以上は潜在意識だから!
質問を受けないと考えるのが難しいからでしたね?
人生経験を1人で振り返るのは大変!
なので、対話のプロのメンターの出番です。

また話を引き出す上で、対話3つのコツもあわせて実践していきましょう。
▼対話3つのコツ
①「なんで」と聞かない、ジャッジしない
②「いつ、何があったのか」を聞く
③出来事があった時の感情を聞く

「やりたいことを明確にしたい」というAさんに対してどう向き合っていくのかというと、、、

・価値観
・情熱
・願望
・環境
などを明確にしていく質問を参考に質問してきましょう。
「やりたいこと」を再認識する目的なので、ポジティブな質問が中心になります。

1学期で実践していただいたカリキュラムに「質問内容」があるので、まずは「価値観」の質問から投げかけて対話をしていきましょう。
▼リンク

質問は、例えば、
「あなたが時間を忘れて取り組めていたことはなんでしたか?」
「どんな予定があると、朝飛び起きたくなっていましたか?」
とかの行動を聞くと、心で動いて行動していたことに気づいてもらえますし、、、

「どんな人を尊敬していましたか?」
「逆に、どんな人のことは尊敬できませんでしたか?」
という質問内容だと、「なりたい自分像」に気づいてもらうことができます。
今後の方向性も見えてきますよね?

そういった質問をしていって、向き合う時間があれば、さらに価値観リストを使って人生の大切な価値観ベスト10を作る。
そうすることで、クライアントが自らどんどん今後のやりたいことや方向性に気づいていくことができます。

次に、
「自分にはできないと思ってしまう自分を変えたい」
というクライアントとの具体的な向き合い方についてシェアしていきます。

「自分にはできない」と思うようになったのも、過去の失敗経験にある可能性が高いです。

こういったケースの場合は、過去の失敗経験を言語化していくことで、
「だから自分にはできないと思いやすいのか!」
と自発的に気づいてもらうことがポイントになります。
なので、会話ではネガティブな内容も出てきます。

1人で人生経験を掘り起こすのだけでも大変なのに、さらにネガティブな記憶を1人で掘り起こすことって心理的にも辛いもの。
そんなクライアントに向き合うあなたに知っておいてもらいたい知識があります。

人間の脳はネガティブなことを考えていると、他のネガティブなことも認識しやすくなるんです。

なので、
自己否定気味の人が一人で人生経験を振り返ると
「高校2年生の時にこんな嫌なことがあったな・・・」
「そういえばあんなことも・・・こんなことも・・・」
とネガティブな記憶ばかり出てきやすくなる恐れがあります。
なので、ネガティブ思考を一旦停止させるためにもメンターの存在が重要になります。

例えば、メンターであるあなたが「その頃にポジティブなできごとはあった?」と質問すれば、クライアントは「ポジティブなことか・・・」と思い出そうとします。
質問内容で相手の思考は変わるので、ネガティブなことと、ポジティブなことの両面を行き来する対話をする「ハンドル」は、メンターのあなたが握っているのです。

例えば、クライアントがパートナーシップで悩んでいて、
「好きな人がいるけど振られると思う」
と悩んでいる状態だとしましょう。
あなたから見たら
「え?なんでそんな風に思うの?」
と感じますよね?
「それって思い込んでるんじゃ・・・」
「過去に辛い経験があったのかな・・・」
と気づけるでしょう。

なので、0歳から18歳まで潜在意識が形成される高校生時代までの人生経験について質問をしていきましょう。
とはいえ、いきなり恋愛の話から入る前に、
「中学生の頃はどんな生徒だったの?」
「何をするのが好きだった?」
というのを挟みながら、
徐々に人間関係にシフトして、、、
「友達で印象に残っている人はいる?」
「好きな子はいましたか?」
というように人間関係について聞いていきましょう。
もしかしたら友達から嫌がらせを受けて人間関係に自信が持てていないのかもしれません。
そういうネガティブな話題が出てくる可能性はあります。

例えば、
中学3年生の時に振られた
高校2年生の振られた
不本意な結果になってその時すごく辛かったから
「自分からはもう告白するのはやめよう・・・無理だ」
とフタをしたのかもしれません。
そういう経験があるのであれば、今恋愛に消極的でも無理もないですよね。

自分史のグラフでもその当時、かなり谷に落ちているはずです。
この感情レベルを知るためにも、その時どんな気持ちだったかを聞くことも大事になります。

しかし、ネガティブな内容で終わったら、Bさんはネガティブな気持ちのままになりますよね。「ズーン・・・」とした雰囲気になります。

なので、
「その時ってどうやって乗り越えたの?」
「友達や親で話を聞いてくれる人とかいた?」
というように質問をしてBさんの気持ちをポジティブに切り替えてみましょう。

例えば、ホラー映画を見ていると思ってください。
「怖いなぁ・・・」
とネガティブにな気持ちになりやすいですよね?
