もはや聞き分けの良さでは幸せになれない
「本当はやりたいことがあるんだけど、親の意見に逆らえなくて行動できない…」
もし、あなたがそんな状況なのであれば、、あなたはまさに5年前のぼくと似た状況なので、すごく気持ちがわかります。
近年は、働き方や生き方の正解がなくなっていますよね。
例えば、特に終身雇用が期待できなくなってしまったため、昔のように「名が知れた大学に入って、カタイ組織に就職して、結婚して、子どもを作って、家を買って、定年を迎えて年金生活を送る」という戦後からの「正解」も崩れてしまいました。
こういうとネガティブな雰囲気が出ますが、見方を変えれば、「正解がないのなら、やりたいことにチャレンジできるよね」と捉えることもできます。
とはいえ、親子間の価値観の摩擦があることで、親に理解してもらえず悩まれているのではないでしょうか。
想いだけで独立したWebライターがハマった落とし穴
2018年の正月のことでした。
ぼくは14年勤めた公務員を辞めてフリーランスのWebライターとして活動しはじめました。
とはいえ、その頃はクライアントが多数いたわけではありません。
「好きなことを仕事にして生きていく!」という想いだけで起業した身。待っていてもオファーはやってきません。
Webライターとしてとりあえず稼いだり下積みをしていこうと、某有名なクラウドソーシングサイトに登録をしました。案件を受注するも1文字0.5円〜1円。恋愛コンテンツのまとめサイト用の3000文字ほどの記事を書いても2000〜3000円ほどにしかなりません。
たしかに時間と場所を問わずに働けるようになりましたが、月収は公務員時代の4分の1に激減。生活費を稼ぐために朝から寝るまでずっと働き、時間の余裕もありません。
そういう生活が2ヶ月ほど経った頃、
「副業やお小遣い稼ぎなら良いかもしれないけど、本業としてこういう案件ばかりをやっていてもダメだ!あと、誰が書いても似るコンテンツを量産し続けるために独立したんじゃない!」
と、思い切って方向転換をすることにしたのです。
あるトマト農家からの贈り物
2018年6月のある日、減っていく預金残高を見ていました。
焦る気持ちを抑え、目先の報酬単価の低い案件に時間を費やすのではなく、長期的なビジョンを持って報酬単価を上げていくことや、「指名」を獲得していく自分になることを決意したのです。
そのためにとったのが「脱・価格戦略。新時代のストーリー戦略」でした。
この日から遡ること約3年前・・・奈良県庁の広報の担当者として1年4ヶ月が経っていた2015年8月のある日の話です。
この日は、トマトづくり一筋で20年以上やってこられたケンジさん(仮名)を取材するために車で移動していたのです。ぼくはこの年から、奈良県の地域のために活動している企業や起業家、NPOやボランティアの方の取材して活動を紹介する記事を制作し、SNSで発信しはじめ、慣れてきたところだったのです。
ケンジさんとの待ち合わせ場所に着くと、白髪まじりの角刈りでこんがり焼けた肌。そして一重でキリッとした強面な表情・・・。正直、怖そうな人だなぁと思っていたのですが、次の会話を進める中でその気持ちは吹き飛びました。
ケンジさん
「奈良にはうまいもんがないって言われるでしょ?そう決めつけられたりマイナスなイメージを勝手に持たれるのがすごく嫌でね。だから食べた人に「めっちゃうまい!」って言ってもらえるようにしっかり気持ち込めてトマト作ってます。もちろんスーパーでもトマトは買えるけど、食べてみてもらったら違いは絶対にわかってもらえる。ぼく以外にも美味しいものを作って味わってもらって奈良を好きになってもらいたい食べ物の作り手はいるし!そういう人たちのことももっと知ってほしいんやけど、ぼくは口下手やし発信が苦手で・・・」
この言葉に対してぼくは内心、
「わかる。ぼくも小学校の頃から口下手で自分の気持ちを言葉にして伝えるのが苦手やったから」
と思っていたのです。
人の心をつかむのはお知らせではなくストーリー
人生を振り返ってみると、「気持ちを言葉で伝える」という時にどれだけ葛藤と苦悩があったかわかりません。
・作文を発表する時
・好きな子に気持ちを伝える時
・親にやりたいことを伝える時
このように人生で大切なシーンには、「気持ちを言葉で伝えること」が必ずセットになってくるじゃないですか?
実はぼくは、公務員になるために専門学校に行くことを決めた時、本当は美容師・ミュージシャンになりたかったのです。でも、1年間浪人をして受験した大学に全て不合格だったこともあり、「もう夢みたいなこと言うとらんと、安定せなアカン!」と父と兄に言われ、自分の意見を言い返すことができなかったのです。
もちろん父と兄はぼくのことが心配だったと思います。でも、正直にいうともっと話を聞いてもらいたかったし、応援してもらいたかったのです。こうした背景もあって、ぼくは伝え下手のケンジさんの気持ちにすごく共感しました。
「たしかにトマトはスーパーでも買える…でも、スーパーのトマトよりも高かろうとケンジさんのトマトやからこそ食べたいっていう人はいるはず!この人が指名されてほしい!」
取材後、いつも以上に「伝えたい、知ってもらいたい」という気持ちが溢れ、すぐに記事を作ってホームページに掲載し、部署で上司の決裁をとった後、次の日にTwitterとFacebookで記事をシェアしました。
すると、デスクの電話が鳴り…受話器を取ると・・・
「この人が作られているトマトが欲しいんやけど、どこで買えるの?」
という問い合わせが!
しかも、次々と入ったのです。
「やった!!伝わったんや!!他のトマトよりも高くても、作り手のケンジさんの想いや背景のストーリーが伝わったら選ばれたんや!」
この日は、自分の中の価値観をガラッと変えた、人生における「爆発」が起こった日でした。
脱・価格競争。新時代のストーリー戦略。
単なるお知らせやノウハウまとめ、説明書は左脳しか刺激しません。
「なるほど」とはなるものの、行動にはつながりにくいのです。
一方、「ストーリー」は、感情をつかさどる右脳を刺激し、感動を生み出し、行動につながりやすいもの。
この時の感動とその後の経験を思い出し、「ストーリー」が持つ魔法の力を武器にストーリー制作専門のWebライターとして活動することを決断しました。
しかし、ストーリーを取材させていただけるクライアントがいない…。
そこでぼくがとった行動は、、、ぼく自身のストーリーを伝えることでした。
「なぜ14年間勤めた公務員を辞めて独立をしてWebライターになったのか」
「なぜ、公務員の仕事内容や業界のリアルを伝えようと思ったのか」
というストーリーを1冊の本にして伝えることだったのです。
そうして、この本を書き終え、クラウドファンディングにチャレンジしたところ、115名から支援をいただき、出版社とのご縁から著書『グッバイ公務員』を初版2000部出版させていただけました。
この経験からも、さらにストーリーの力を確信したのです。
1時間ください。ライターの仕事に対する考え方が変わります。
その後、この本を読んで想いに共感いただいたフリーランスの方、企業からオファーをいただけるようになりました。
オファーいただく内容は、例えば・・・
▼フリーランス
「私がこの仕事(事業)をすると決意した日のことをインタビューしてストーリー記事にしてもらえませんか? ホームページに掲載したいのです」
▼経営者・広報担当者
「新しく販売する商品のPRをするためにクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げたいのです。この商品の企画から完成までをインタビューしてストーリー記事にしてもらえませんか?」
▼採用PR担当者
「うちの会社は人が魅力なんです! 社員をインタビューしていただいて、そのキャラクターや職場環境が伝わるストーリー記事をライティングしてもらえませんか?」
▼動画制作者
「ある経営者の創業ストーリーの動画制作を受注しているのですが、質問項目の設定や台本・構成が難しくて・・・その部分だけお願いできませんか?」
これらのオファーの目的で共通しているのは、
「商品サービスの質や価格だけでは勝負ができないので、ストーリで差別化をして購入してもらいたい!」
「同じゴールを目指せる志の高い方、価値観が合う方に入社してもらいたい!」
というように、「指名」の獲得でした。
クラウドソーシングサイトで受注していた恋愛コンテンツ量産記事の5〜10倍の高単価の報酬をいただけるようになりました。大事なことなのでお伝えしたいのですが、写真撮影や動画編集ができればさらに高単価になります。
でも、ここまで読んでいただいたカンの良いあなたは、
「とはいっても、ストーリー制作専門のWebライターが世の中に増えたらまた価格競争になるのでは?」
という疑問を持たれていると思います。
ストーリー制作専門のWebライターは、クライアントの脱・価格競争や差別化をサポートできるのはもちろんなのですが、自分自身のストーリーも発信していくことで「〇〇さんにだからお願いしたい!あなたと一緒に仕事がしたいのでチームに入ってほしい!」
と言っていただけて、長期的な指名とお仕事を獲得できるのです。
ぼくも、チャレンジャーを応援するアーティスト集団「スバキリ商店」や、コミュニティアパレルブランド「ouca」や、大阪で福祉事業を経営している中小企業のチームの一員として仕事をさせていただいています。
こうした理由から、Webライターが価格競争での消耗や、先行きの不安から抜け出すためのアプローチは…
①ストーリー制作の在り方やスキルを身につける
②求められるチームに身を置く
の2つなのです。
とはいえ、「そうなるためには、具体的に何から初めたら良いの?」と思いませんか?
その疑問は、ぼく自身も過去に持っていたことですし、その時期にすごく知りたかったことです。
また、ぼくの人生のゴールは、「チャレンジを応援しあえる世界をつくること」なので、「ストーリー」をライティングできるWebライターが世の中に増えてほしい気持ちがあります。
なぜなら、チャレンジャーのストーリーが読まれることで、その方の商品・サービスが指名されやすくなったり、その人と一緒に仕事がしたい人が増え、楽しく働ける社会になっていくと確信しているからです!
こうした想いから、これまで4年間の経験から得たノウハウやエピソードを元に『魔法のストーリーライティング』という本を執筆しました。
本書は次の2章で構成しています。
第1章 「ストーリー制作専門のWebライターの7つの在り方」
第2章 「ストーリーを制作し、伝える4つの技術」
第3章 「ストーリーを作ってみよう!」
第3章では、「ストーリーライティングワークシート」を用意しています。これを使えばストーリー記事の制作を具体的に実践していただけるようにしています。「いきなりクライアントを取材して実践するのは怖い」という方は、まず、あなた自身のストーリーをSNSやブログの発信することからお試しいただけます。
チャレンジャーを応援する気持ちのない方にはこの本をお勧めしません
本書は、本の形をとっていますが、実質は「ストーリー制作専門のWebライターとしての4年分の失敗談と学びの告白」です。
ストーリー制作をするためには、クライアントの人生の苦労話や成功談などに興味を持って聞くことが必要になります。これを面倒と思う人にこの本はオススメできません。
でも、
「話を聞くのは好き!」
「知らない世界を知れて楽しそう!」
「チャレンジャーを応援できるライターでありたい!」
と思えるあなたには!!ぜひお届けしたいのです!
商品サービスの質と価格だけで勝負できる時代は終わり、買い物も働く仲間も「指名時代」に突入しました。
チャレンジャーの指名獲得をサポートでき、Webライターとして活動していくあなた自身の未来を切り開くための「ストーリーライティング」の力を手に入れてみませんか?
2022年6月1日
水樹ハル
水樹ハル
プロフィール
1982年奈良県生まれ。
ストーリー制作専門のWebライター(ストーリークリエイター)
前職は奈良県庁職員(歴14年)。
勤続8年目から上司と仲間の助けにより、人生のゴールと使命に気づく。
在職中は、精神保健福祉の分野で、「死にたい」という電話・対面相談や精神科病院への移送と診察への立会業務に600件従事。その後、広報担当者として、奈良県の地域で活動する方々を取材し、記事を奈良県庁HPに掲載し、せんとくんTwitterやFacebookを軸としたSNS発信を展開。
その後、2018年4月に独立し、フリーランスとして活動をスタート。同年6月下旬から37日間「グッバイ公務員」という著書を出版するためのクラウドファンディングに挑戦し、1115名から支援をいただき目標を達成。
その後、関西圏の大学・短大・高校やイベントで「変化の時代の生き方」や「安定からの挑戦」をテーマに講演活動をスタート。
2020年1月からは、オンラインサロン「自分を知る学校」を開校し、メンバーの「人生のゴール」や「在り方」の設定のサポートに従事。
現在は、カウンセリング・コーチングを土台にしたインタビューをおこない、ストーリーコンテンツの制作と発信サポートを専門に活動中。
制作したストーリーは、クラウドファンディングのプロジェクト文やホームページに使用されている。商品・サービス内容や価格で差別化できない事業を展開するクライアントの市場での差別化をストーリーマーケティングでサポート。また、これらの活動で得たノウハウやエピソードをSNSや著書で伝えている。