取材日:2022年11月14日
「生徒の心を開くカギ」とは?
Q:ながめさんはアイドル、ラッパーなどの活動にチャレンジし続けていますが、あらためてチャレンジするワケとは?
▼ながめ
単純に面白いからです。あと、「挑戦しなさい」と言っているけど具体的に行動していない口だけの大人とか先生の話って、生徒は聞かないじゃないですか?記憶に残っているのは、「口だけの先生」じゃなくて「行動で示してくれた先生」だったし。
Q:たしかに・・・ながめさんの中で記憶に残っている先生は?
▼ながめ
高校2年のある日の全校集会の日の記憶が残ってます。その日は校長先生がいなくて、教頭先生がみんなの前で話していて・・・突然教頭先生が、ラジオ体操の歌をマイク無しで全力で大声で歌い切ったんですよ。その後、「これぐらい元気な声であいさつをしましょう!」と言ったことが胸に刺さりました。チャレンジしている人ってそれだけでお手本になるし、話も聞いてもらえる。ぼくも予備校講師として教育に携わっているんですけど、チャレンジしている側の先生でいたいなって。だから、「漢塾」っていうアイドルグループをしたりブラック校則を無くすラッパーとして活動しています。単純にいろんな人たちと出会えるし、面白いですから(笑)
誰もが天才、無限大の可能性
Q:SNSのプロフィールに「ただの天才」と名乗られているのですが、どういう経緯で?
▼ながめ
2022年10月のある日のことです。日経新聞主催のラップコンテストで応募者500人のうち30人に残ったんです。それをSNSで報告したらみんながすごく喜んでくれたり褒めてくれたり、「なんでそんなにいろいろできるんですか?天才ですね」って言ってもらえたんですよ。
その言葉に対して「いやいや・・・そんなことないですよ・・・」と謙遜することもできるんですけど、認めてくれているんだから受け入れてみようと。過去を振り返ってみても、挫折もあったけど行動もしてきたので。生徒にも「すご!天才やん!」って言ってますしね。人を認めることとあわせて自分を認めることも大事だなと思うんです。
Q:そういうことなんですね!自分の可能性を認められている方が、新しいことにも一歩踏み出しやすそうですね。
▼ながめ
そうですね。何か新しいことを始める時って、素人だし経験値もないじゃないですか。根本的に「やってみたらできるかも?どう工夫したら良い?」という感じで臨んだ方がいいなと。例えば、2021年の9月に「漢塾」のメンバーのぬまっちと一緒に個展をおこなったんです。YouTubeで独学して絵を描いて勉強しただけなんですけどね。素人が「2ヶ月で個展にチャレンジしてみた」という(笑)
個展を開催することを前提として活動してみるってことです。そうすると、レイアウトをどうするかとか集客のことを考えて行動することになりますから。面白かったです。
Q:お客さんに来てもらえなかったらどうしようとかは思わなかったんですか?
▼ながめ
極端な話、お客さんがゼロでも良いんです。キャリアに関係なく、「絵」と「飾る場所」があり、「個展」を一度でもやったら「個展やったことあります!」って言えるんです。大切なことは、「自分の可能性を信じて、行動すること」だと思っていて、やらないと誰も来てもらえないですからね。で、実際にやってみて一人でも来てもらえたらめちゃくちゃ嬉しいし(笑)
最初からちゃんとやらなくて良いんです。「いつかやりたい」で止まらない。行動することで知らない世界が見えたり、自分の新しい一面が見えたりもしますからね。それだけでも大きい収穫があったりしますよ。
Q:ながめさん、普通に絵うまくないです?
▼ながめ
絵なんて高校の美術の授業ぶりで全くやったことないんですけど、YouTubeの先生の言った通りに手を動かしてたら描けました。とにかく「素直」に言われた通りやることが大事だと思います。ただ、ぼく的には細かい技術はどうでも良くて、その人の人柄とかおもろさとか人間的魅力の方が大事だなって思うんです。なんでかっていうと、ミシュラン3つ星のシェフの料理と1つ星のシェフの料理を見分けることできますか?
1本1万円のワインと1本100万円のワインの違いをズバッと言えますか?無理ですよね?
素人からしたら細かいところはわからなくて「美味しい」は美味しいでしかないし、「すごい」はすごいでしかない。やっぱり、人間的魅力の方が大事だなって思います。
アイドルグループ「漢塾」誕生秘話
Q:3年前は「アイドル研究家」だったながめさんがアイドル活動をしようと思った経緯は?
▼ながめ
漢塾は、国民的アイドルグループSMAPの非公認アイドルグループなんですけど、「単純に面白いんじゃない?」って思ったからです。メンバーとは共通の友人だった「るーみん」を通じて出会って・・・最初は飲みにいったり、もつ鍋を食べたりしていただけなんです。
▼ながめ
SMAPが解散したのは2016年の大晦日。それから2年以上経っていても日本中が残念に思っていたし、エンタメの火が1つ消えた感じもしました。だからメンバーに「俺ら5人だし、SMAPを非公式で後継したら面白いんじゃない?やらない?」と言ったら「いいね」と肯定的なノリやリアクションしかなくて(笑) 2019年6月27日「国民的アイドルグループSMAPの後継者ユニット漢塾」が誕生しました。
書道家 蘭鳳(Ranhou)先生制作のロゴ
「SMAPをやってみた」
▼ながめ
で、SMAPの後継者というからには「SMAPがやってきたこと」をやろうと思って、考えてみると・・・
・ビストロSMAP
・カレンダー
・グッズ
・女性の応援
・歌を出す(レコーディング)
というワードが浮かび、片っ端からチャレンジしてみたんです。
■ビストロ漢塾
チャレンジする女性をゲストに招き、料理を振る舞う!
■日めくりカレンダー
クラウドファンディングで脅威の2000%超え!
販売実績:200冊
■アパレルブランド「SKKPMH」
「飲み会で盛り上がったノリをそのままTシャツにしました」とのこと。SKKPMHとは、最高(SK)・乾杯(KP)・マンホール(MH)の略である。販売実績200着。過剰に意味や効率化・生産性を求める現代社会へのアンチテーゼであり、「一見非効率で無駄なことにこそ、本当に大切なものがある」というメッセージが込められている。
■女性の応援
実業で女性を応援するメンバーが多いこともあり、漢塾のコンセプトは「挑戦する女性を応援する」「茶番に全力で取り組む」に。バレンタインに漢塾ブラックサンダーで応援!飲食店などのお店を盛り上げ・お手伝いにも!
■THE FIRST TAKE ごっこ
SMAPの代表曲「世界に一つだけの花」をリメイクし、一発レコーディングに挑戦!
■オンラインサロン
SMAPの曲「JOY」の歌詞の「無駄なことを一緒にしようよ」がコンセプト。日々、無益だけどクスッと笑ってしまうコンテンツや、大喜利ライブ配信などが投稿されている。(参加費は無料)
転機となったあるお笑い芸人の言葉
▼ながめ
単純に楽しかったし、記録になるし、これらのチャレンジで出会えた人もめちゃくちゃいるし。オンラインサロンにも100人以上参加してもらってるんです。
漢塾にとって大きな転機になったのは2021年の年末に、お笑い芸人のダイノジの大谷さんとの出会いでした。たまたま一緒に飲ませていただく機会があって、「ながめさんは普段何をしている方ですか?」と質問していただいたので、「SMAPの非公認の後継者アイドル漢塾でこういった活動をしています」と伝えたら、「めちゃくちゃおもしろいね!年明けに大阪で開催するDJイベントに出てよ!」と声をかけていただけたんです。
Q:それまでは人前で歌やダンスを披露することもなかったんですよね。
▼ながめ
そうなんです。アイドルなのにライブをしたことがなくて。メンバーに伝えてイベントに出ることは決まったけど、「どうする?」ってなって・・・とりあえず大阪市内のカラオケBOXに集合して練習をするようになるんです。
▼ながめ
「歌もダンスも下手くそな自分達でも、来てくれる人に楽しんでもらうには???」と考えて思いついたのが、カラオケ音源じゃなくて歌声入りのCD音源を流してめちゃくちゃカンタンな一緒に踊れる振り付けでやり切るっていうスタイル!ダイノジさんのイベントに出演したあたりからメンバーとの一体感がより一層増していきました。
▼ながめ
全く無名のぼくらが、テレビにも出ている有名人のダイノジさんと一緒の舞台に上がれるだなんて思ってなかったんです。1つ1つ目の前の面白いことにチャレンジしていたらそこからまた面白いことが起きていくんですよね。
Next Story
ダイノジ主催のDJイベント後のお疲れ様会。
1ヶ月間練習したパフォーマンスをやり切った漢塾メンバーの姿に感動したプロデューサーの平原さん(ジャニーさん担当)が驚きの言葉を放った。
「今日のライブは感動した!よし、みんな!夏に漢塾フェスをしよう!規模の目標は100人!」
こうして、「漢塾フェス2022」の企画が始まったのである。
永目健一郎
プロフィール
予備校講師
ブラック校則をゼロにするラッパー
アイドルグループ漢塾リーダー
【経歴】
1986年、熊本で出生。浪人生活を経て京都の教育大学へ進学。その後、滋賀県の私立高校の教員に。4年間の教員生活の中で学校教育のあり方に疑問を感じ、友人と名古屋で学習塾を起業。しかし起業に失敗し、1年間水と豆腐を食べて生きながら学習塾のアルバイトを経て社員に。エリアマネージャーとして経験を積んだ後、講師として活動することを選択。現在は大阪にある獣医専門の予備校で数学講師として勤務しながら、ブラック校則をゼロにするラッパー、国民的アイドルグループSMAPの後継者ユニット「漢塾」のリーダーとして活動を通じてチャレンジする人を全力応援している。モットーは「真面目にふざける」。
ライターの紹介
水樹ハル
クラウドファンディングライター
自分を知る学校 校長
【経歴】
1982年11月25日生まれ、奈良県出身。2004年に奈良県庁職員として採用。在職中は、精神保健福祉の担当として、「死にたい」という電話・対面相談や精神科病院への移送と診察の立会業務に4年間で600件従事。その後、広報担当者として、奈良県の地域で活動する方々を取材し、記事を奈良県庁HPに掲載。せんとくんTwitterやFacebookを軸としたSNSでの発信を展開。その後、2018年4月に独立し、フリーランスとして活動をスタート。同年6月23日から38日間「グッバイ公務員」という著書を出版するためのクラウドファンディングに挑戦し、115名から支援をいただき目標を達成。
著書出版後、関西圏の大学・短大・高校の授業やイベントで「変化の時代の生き方」や「安定からの挑戦」をテーマに講演活動をスタート。
2020年1月からは、オンラインサロン「自分を知る学校」を開校し、メンバーの「チャレンジマインド」と「関係性を築く力」を育成。
2022年2月からは、クラウドファンディングプロジェクトを丸投げできる「スバキリ商店」にクラウドファンディングライターとして加入。これまでライティングを担当したクラウドファンディングプロジェクトの総支援金額は1300万円、総支援者数は1100名超え。「誰もが自分の人生を決定でき、挑戦できる社会」と「夢に向かって挑戦する人・次世代を支える日本の未来」を実現するために活動している。